雪山の宿泊先ロッジ

避暑地の山車道を車で下っていると、カーブの辺りに洒落たガレージハウスが見えた。その家のガレージには２、３台の外国産スポーツカーが停めてあって、定年後のお洒落な男性たちがメンテナンスをしていた。


夕方、宿泊先のロッジに着くと、「雪山の中腹にある鐘の所の近くにある大きなアオリ止め錠をかけて来てくれ」とオーナーが言うので、３人で出かけることになった。

私と1人の男性は自転車で、もう１人の男性は車で向かうことになり、向かう先には、オーナーが置いてきた自転車があるらしく、誰かがそれを乗って帰らなければいけなかった。「いったい、誰がその自転車を乗って帰るんだ？」と私は、少し訝しく思った。


雪山の中腹に着くと、残り少ないスキー客たちも帰り始めていた。すると、２人の男性スキーヤーが、とてもスキー斜面とは思えない断崖絶壁を下って行き、当然のごとく、転がり落ちていってしまった。それを見ていて「大丈夫なのか」と心配になった。


私が宿泊先のロッジの玄関前にいると、３人の男性がマウンテンバイクに乗って帰って来た。

その内の１人は昔の友人T君だった。T君は、私が乗っていたマウンテンバイクに乗っていて、「いや～、すごく楽しかったよ」と私に笑みを浮かべながら話し、ロッジの中へと入っていった。

そして、外に残っていた私は雪山を仰ぎ見て、今日こうして、彼らが楽しく過ごせた事への感謝の祈りをした。

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