ある家族の水物語

車で、母親と漁港に来ている。

知人に会うために、入り江を隔てた向こう側にある別の漁港まで、
コンクリートの海岸道を歩いて向かうことになった。

しばらく歩くと、高波が海岸道にかかり、母親が濡れてしまった。

「ああ、失敗したなぁ～、車で来れば良かったね」と母親に言うと、
母親は「大丈夫だよ」と言った。


私は長男といた。
そこへ、長男の住んでいる自宅兼アパートに来ていた次男から電話がかかってきた。

アパートの住人から「ある時間になると排水の音がすごくうるさくなる」
と苦情があったということだった。

「きっと、建物の壁の中に配管されているパイプに排水が流れる音だろう」
「夜になって、まわりが静かになると、うるさく感じられるのかも知れないな」
「とはいえ、建物が古いのでしかたがないのにな」などと話をしながら、帰宅することにした。

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