休眠期の果樹園

私は、高台にある果樹園へ登る坂道を歩き、見渡しの良い場所に着いた。そこは、果樹園に沿った細い道で、そこから見下げた場所には隣接するゴルフ場が見えていた。しかしこの道は、果樹園の私有地でもあったので、怒られはしないかと少し不安でもあった。そして、その果樹園の果樹は、葉も実も無く、今は休眠期のようだった。



その果樹園沿いの道を少し行くと、果樹の手入れをしている果樹園夫婦に出会った。するとご主人が「娘が戻ってこないのだが、お前は何か知っているんじゃないのか？」と、まるで私が犯人かのように聞いてきた。私が「知りません」と返事をすると、そばにいた奥さんが「この人は関係ない人よ」と、ご主人をなだめてくれた。

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