帰省先、湖畔の家

漆喰の壁が崩れ落ちている。その漆喰の一欠片を拾い握りしめると、青い砂となって、サラサラとこぼれ落ちていった。


母親と田舎へ帰省している。時計は１時を指していた。


早朝、湖畔の家の2階の窓から外を見ていると、家の前の道を通り過ぎる出勤途中らしい女優のHTさんを見かけた。2階から見ていたので頭頂部が見え、その黒髪の生え際が白茶っけていた。それを見て私は、「ああ、黒髪に染めていたんだな」と思った。

すると隣の窓から別の人が彼女に声をかけた。そしてこちらを向いた彼女が、その人に何か返事をした。さらに彼女は私の方にも目を向けて、何か言いたげな表情をした。


湖畔の休憩所に、仲間の女性たちと友人のTくん（故人）と居て、みんなで観光モーターボートに乗ることになった。仲間の女性たちが多かったので、私は少し浮かれてしまった。

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